「優勝したよ!」
その言葉を聞いた瞬間、私は嬉しさが込み上げてきた。
彼女の喜んでいる表情が電話越しの声からでも分かった。
「おめでとう!!」
沢山の言葉が頭の中を駆け巡ったが、素直な気持ちが言葉として表へ出た。
褒めてあげたいという気持ちが強すぎて色んな言葉を考えたのだが、この言葉が私にとって全て詰まった言葉だったと思う。
テニスの試合の内容も本当に良かったみたいだ。いつも以上に彼女の声が高く、嬉しそうな声を聞くと私も疲れが少し飛んだ。
「頑張って練習した甲斐があったね。」
私がそういうと彼女はそうだねと返事をしてくれた。
努力している時や成果がなかなか出ていない時というのは本当に苦しいものだ。私も勝負の世界で生きてきた人間だから良く分かる。日常というのは本当に辛い事の方が多い。だが、頑張った甲斐があったと一握りの喜びや幸せを感じる為に私達は頑張っているのだ。
高校生が1つの分岐点になるのではないかと私は感じる。自分の好きな方向へ進む事によって努力を忘れてしまう者、かたや苦しい困難な道を選択し、切磋琢磨する者。幸せのあり方は様々だが、最後に笑って幸せにいる者はやはり後者であると私は思う。
人はどこかで必ず壁にぶち当たる。その壁を登って越えてしまう者は後で更に大きな壁が立ち塞がる。その壁を正面から壊す者は、壁が小さくなったり同等の壁が続くと私は感じている。
私は彼女が幸せを感じてくれた事に私も幸せを感じた。明日から私も負けないように頑張りたいと思う。
明日も猛暑日となるだろう。
彼女が頑張ったんだ。
自分も何を言われても明日は頑張ろう・・・。
私の周りには虹色のオーラがあって、全てを跳ね返すんだ。
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