高級中華料理店

小説

準備

今日も外は晴れ晴れとしていた。昨日から服装を考えていた私は頭がパンク寸前だった。

(初めてホテルでの外食か〜。スマホで調べてもスマートカジュアルが良いって書いてあるし・・・。似合わない服装着ていったら恥かかせちゃうよ〜。どうしよ・・・。今から買いに行った方がいいかな。)

今日は彼女と5つ星ホテルのディナーバイキングに行く約束をした。私はインストラクターの仕事をしているから着ていく服がそもそもなかったのだ。

(う〜ん・・・。恥かかせてしまうと困るから電話して相談した方がいいな〜。)

私は朝から彼女へ電話をかけた。

「もしもし。どうしたの?」

「実はさ、着ていく服がなくてどうしたらいいかと。」

「あ〜、昼から一緒に買いに行く?選んであげるよ。」

「ありがとう!分からないし、似合うイメージがないから任せるよ。」

普段スウェットやジャージなどおしゃれB系やラフな格好をしている私にとって、スマートカジュアルという部門は別次元の世界の話であった。体つきも大きい為、ジャケットなど似合うイメージが湧かなかった。

「あのさ、スーツじゃダメかな?」

私は彼女に問いかけてみた。

「良いけど、もう少し柔らかい雰囲気の服装でもいいんだよ?」

彼女が優しく答える。

「ジャケットとかイメージ湧かないけど、スーツなら何回か着てるし大丈夫かと思うんだけど。」

「わかった。じゃあ私はワンピース系着ていくよ。」

知識が豊富な彼女は困っている私に優しく合わせてくれた。

ホッと胸を撫で下ろした私はスーツを準備して彼女との合流場所に向かった。

「やっほ〜!待った??」

運動した後にシャワーをしてきた彼女からはほんのりとシャンプーの香りがしてきた。長い髪をそっと撫でるように後ろに回す彼女の姿はいつもより綺麗に見えた。

「今日はなんか雰囲気違うね!」

「そう?ワンピース着たりしているからかな?」

軽い会話をしながら私もスーツに着替えた。

「それじゃあ、いこっか。」

「楽しみだね〜!しゅっぱ〜つ!」

私は車を走らせて彼女が予約したホテルへと向かった。

5つ星ホテル

車の通りが多い5車線の道路を通過すると、目の前に見上げても視界に入らない程の大きなホテルが立っていた。

「ここじゃない?」

「すご〜い!高いね〜!」

(スーツ着てきてよかった〜・・・。)

目の前の大きなホテルにびっくりしながらも私は今日の朝の状態を振り返っていた。

(高そうだな〜。でもいっか。いつも良い思いさせてくれてるし、遊びにも行けてないから感謝の気持ちで沢山食べてもらおう!)

私はそう頭に思いながら駐車場に車を止めた。

中に入ると、やはり私服姿の客はいなかった。カジュアルな服装をしている人すらもいなかった。

私達の食事する場所は6階との事だった。大きなロビーをぐるりと回ってエレベータに乗った。

食事をする場所はいかにも高級料理店と感じ取れるような所だった。私が身近に感じたのはPayPayがあるという事だった。

「お2人様ですか?」

店員の問いかけに彼女が、

「予約していたんですけど。」

と返すと店員が納得していたかのように

「お待ちしておりました。」

と中へ案内してくれた。

中華のオーダーバイキングと少し私の中では珍しいイメージがあったが、お腹を減らしてきた私達は早く食べたくてウズウズしていた。

2人で最初から何品注文したか分からないというぐらい注文した。1つの量は多くはないが、なんせ色々と食べたかったのである。

彼女が食べる姿を見て、やはりこういう所に当たり前に来ているのかなとふと感じていた。

料理は全てが美味しくて、私と彼女の食べる物は肉類と海鮮物にきれいに分かれていた。

彼女は海鮮物がとても大好きで、全て海鮮物だったと思う。

私達は全ての料理を完食し、満足をしていた。

「めちゃくちゃ美味しかったね〜!」

「本当にそれだね!当日まで服装悩んでよかったよ!」

満足して、笑顔で話をしていたらいつの間にか私の隣に伝票が置かれていた。

(いつの間に・・・)

私はチラッと覗いてみたが、やはりそこそこの値段だった。

(でもこの時間はお金では買えないし、本当に貴重で素敵な時間だったな。)

そう思いながら、

「そろそろ出よっか。」

彼女もうなずき、店も出ようとしたその時だった。

「あれ?私が払うよ?」

振り返ると、彼女が目を大きくして私を見ていた。

「ん?いいよ。高いし。大丈夫だから。」

私がそういうと、

「もともと私が払うつもりで誘ったんだから、私が払うよ。気持ちだけ受け取っとくね。」

彼女は女神なのか?私はびっくりしているうちに伝票を私からとりあげ、会計をしてしまった。

「ありがとう。」

「いいえ、どう致しまして。美味しかったね。」

「うん。美味しかった。」

「今日は連れてきてくれてありがとうね!幸せでした。」

「俺もありがとう。」

今日という1日でまた凄く素敵な思い出と幸せを手にした私達は今日の思い出を話しながら帰路についた。

人は誰でも大切な時間がある。私はこの時間を少しでも大切にして生きていきたい。

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