出張

小説

(2泊3日か〜・・・)

私は溜息まじりに家に帰宅した。

出張に関してはさほど苦しいと思う事はない。敢えていうならば、体力的に疲れるものだ。

それよりも、彼女に会えない事が私にとっては何よりもストレスになる。

肌の温もり、感触、愛情、言葉、声、五感全てで感じていた感情が無くなってしまう様だった。

「さっきまで横で寝ていたのにな・・・。」

私のわがままで出発前に会ってもらっていた。優しい彼女は私の身体を気遣い、

「もう遅いから寝た方がいいんじゃない?」

と言ってくれたのだが、ゆっくりするからという事を条件に会ってくれていた。

わがままを言う私が可愛かったらしく、彼女は笑っていた。

彼女と横になると、何故か眠気が押し寄せてくる。安心感があるのかは分からないが、いつも気が付くと寝てしまっている。疲れているのか何かも分からない。だが、1人ではなかなか寝付けない時にも横に居てくれるとすやすやと寝てしまうのだ。

案の定、さっきも私は寝てしまっていた。

時間はあっという間に過ぎ、彼女という感触を身体に染み込ませ帰宅したのだ。

(とりあえず明日から3日間頑張ろう。しっかり動いて何も考えない様にしよう。)

私は出張先で出来る限り、仕事をした。忙しかったが、自分自身の甘えも忘れて仕事に専念する事が出来た。

ホテルに着いた時には既に疲れて寝る事しか考えれなかった。

あっという間に3日が経ち、出張が終わった。

私はすかさずメールを打った。

「帰って来たよ。今どこにいるの?」

少しでも早く会いたくてそわそわしていたが、そこは大人になっただけに落ち着いて連絡を入れた。

「もうすぐ着くから待ってて。」

彼女からの返信も早かった。会いたいのだろうかと私は1人で嬉しく感じた。

10分後、待ち合わせ場所に同時に到着した。

「一緒だったね。」

「そうだね〜!ただいま!」

「お帰りなさい!」

彼女もやっぱり嬉しそうな顔をしていた。私はその顔を見て更に胸が高鳴った。

「帰って来たらする事があるんじゃないの?」

「え〜。人もいるし、恥ずかしいよ〜。」

私はそうやって恥ずかしがる彼女の腕を引っ張って強引に口づけをした。彼女もして欲しかったと思っていたのか、目を閉じて優しく唇を重ねてくれた。

「頑張ったね!」

そう言ってくれる彼女に私は少し瞳が濡れた。

いつも通りご飯に行き、出張先での話や私がいない時の彼女の話を沢山した。たった3日間だったのに、まるで長い間会えていなかったぐらいの話で、会話が無くなる事はなかった。

私はいつもこういう時にふと考えてしまう事がある。

(いつかはみんないなくなってしまうんだよな・・・。)

あんまり考えたくはないのだが、私も含めていつか死は訪れる。それがいつなのかは本当に分からない。

だからこそ、私は人に対して感情で話すようにしている。後悔がないように。悔いが残らないように。生きている間はみんなまたすればいいだろうとか考えている人がきっと多いと思う。それが当たり前だと私も思っている。だが、突然別れはやってくるのだ。私も少しずつでいいから大切な人には恩返ししていきたい。特に私がダメになろうとも、いつも支えてくれている彼女や家族は1番に大切にしたいと考えている。

私の中で、少しずつ人間が出来上がっていくのが自分でも実感できる。自分の事も大切ではあるが、彼女や家族に愛情をいつも伝えれる人間になろうと私はいつも考えている。

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