メール

小説

朝、目が覚めるとメールが入っていないか確認する。もちろん自分の大切な人からのメールを1番に期待してしまう。私は彼女よりも早く起きるので、いつもおはようのメールを入れる。

おはようというメールが返ってくるのを待っている自分がいる。相手からすると大した文章ではないだろう。私にとっては、絵文字が入っているか入っていないかでその日の体調や機嫌を確認する大切なメールである。

「おはよう。」

彼女から返ってきたメールに絵文字はなかった。きっと何処か具合が悪いに違いない。

「大丈夫?」

と尋ねると、

「頭が痛い。」

と返信が返ってきた。大当たりである。

彼女が絵文字を入れない時は必ず何かがある。私は彼女からのメールの状態で相手が今どのような気分かというのを知る能力を持っている。ここ最近は仕事が忙しいとか、疲れているのもあり、メールにその事を表現したのだろう。

「何かあったの?」

私がメールで尋ねると、

「何もない」

と返ってくる。彼女は何度も話を聞くまで言わない性格である。少し溜め込む悪い癖がある。

彼女から来るメールには魂が宿っているのではないかと考えた事がある。

絵文字が入っているメールと入っていないメール。忙しい時に打つメール、感情的になって打ってくるメールと様々である。会って話をするコミュニケーションも大切だが、メールとは本当に大切なものであると実感しているのである。

私はその後も彼女が悲しまないようにと絵文字を入れながらメールを入れた。しかし、彼女からの返信はそっけない。私は少し寂しさを感じ始めた。

「今日仕事でしょ?頑張ってね!」

「うん。」

頭が痛いから仕方がない。そう思いながら私も仕事を始めた。

夕方になり、ひと段落した時に彼女にメールを入れた。

「今日ご飯行くんだったよね?会える?」

「今日は他の人と行く予定になったんだ。ごめんね。」

私の気持ちは限界点に達した。メールがそっけなくて、約束が変更になってしまった。このダメージは絶大である。

「メールも絵文字ないし、約束は変わるし、拗ねるわ。ちょっとひどくない?」

私のこの言葉に彼女は画面越しに何かを感じ取ったらしい。すぐに謝罪の言葉と絵文字がついていた。

「ごめんね〜。許してよ!」

私は許すつもりだったが、可愛い彼女には悪いが構って欲しい気持ちもあったので少し悪戯

をしといた。

「他の人には絵文字とか元気な感じで連絡するのに、俺にはしてくれないんだ〜。

流石に少しまずいと思ったのか、いっぱいメールをくれるようになった。私は意地悪をした事は申し訳ないと思ったが、メールをくれる事が凄く嬉しかった。

「やっとメールくれたね。」

彼女にそうメールを入れた。

メールは1つのコミュニケーション方法だから、気持ちのない人には文章すらも大した感情を持たないものである。

だが、大切な人やコミュニケーションを取りたい人には凄く大切な事だと改めて気づいた。

私もメールには気をつけている。彼女にいつも朝、元気な自分がいる事を伝えれるように。

このまま何も変わらない毎日が続きますようにという願いを込めて・・・。

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