小説 SNSの真実①

小説

 俺は高校2年生のかつやです。SNSが流行した世の中で起こった事件を今から話します。SNSは便利なコミュニケーションツールですが、一方で人を苦しめる事になる危険な凶器です。それは刃物など見えるものではなく、見えない場所から徐々に苦しめていく精神攻撃、まるで毒みたいなものです。私も気にしなければ良かったと周囲からは言われますが、今は病院で天井をずっと見ている状態になっています。自分が何もしなくても、今は誰かが勝手に人のアカウントを動かせる世の中です。皆さん注意してください。

「入学おめでとうございます。」

 桜満開の学校は4月の入学式を終えたばかりだった。俺は新しい環境での生活にワクワクしていた。高校生になったらと言われて両親から入学祝いに携帯電話を持たせてもらっていた。

(今から楽しい高校生ライフが始まるのか〜。可愛い女の子を彼女にして、それでスポーツもやって最高の高校生活にしたいなー!)


 そんな事を考えていると1人の男の子が声を掛けて来た。


「お前、同じクラス?俺はたけしって言うんだけど。いい奴そうだったから声掛けてみたら当たったみたいだな!宜しくな!」



「俺はかつや!宜しく!たけしも1−3か?宜しくな!」



 早くも仲良くなったたけしと家はどこなのか、どうやって通学して来るのかなど色々話をした。そうしている内にホームルームも終わり、今日は午前中で帰宅となった。

「じゃあ、たけし。またな!」


「おう!また明日!」


 俺は電車通学の為、学校から駅へ向かった。駅まではそこまでかからなかった。改札を抜けると、1人の女の子が立っていた。


「ん?同じ学校の制服だな。」


 その時は思いもしなかった。まさかこの子がきっかけを作る事になるなんて。

 電車に乗った俺は携帯電話を取り出した。高校生の中で流行っているコミュニケーションアプリ「フレンド」というアプリを開いた。これは自分の近況を報告したり、ここからメールをしたり知らない人と繋がったりと高校生に話題のSNSアプリだった。


「今日は入学式でした。いきなり友達が出来ました。っと。」


 近況報告を打ち込みアプリを更新した後、音楽を聴きながら俺は眠りについてしまった。


「次は〜、宮の浜〜。宮の浜〜。」


 イヤホン越しに微かに聞こえたアナウンスにハッと飛び起きた。慌てて降りようとした時に前を見ると改札で待っていた同じ制服の女の子が降りようとしていた。


(同じ駅だったんだ・・・。あっ!)


 彼女が座っていた場所に携帯電話が落ちている。きっと彼女のものに違いない。走って携帯電話を掴んで慌てて降りた。


「はぁ・・・。はぁ・・・。あの!!」


 彼女が振り返る。


「携帯電話落としませんでしたか?」


 彼女が鞄を慌てて探した。びっくりした表情で走って来た。


「ありがとうございます!まさか落としているなんて!・・・同じ学校の人なんですね?」


「うん!改札の所で待っている姿が見えてたからね!名前聞いてもいい?」


「私ゆかって言います。あの・・・、同じ駅だし良かったら連絡先交換しませんか?」


「え?いいんですか?初対面なのに。」


「もちろんです!落とし物を拾ってくれた人に悪い人はいないでしょ?」


 ゆかは携帯電話を取り出すと私とマインの交換をしてくれた。マインとは世界で流行している1番のSNSである。最近では電話番号やメールアドレスではなく、このマインを使ってやりとりしている。

「はい!交換完了!これから宜しくね!」

 ゆかは微笑んで帰っていった。俺は凄く嬉しくて笑みが止まらなかった。ゆかは俺にとってタイプもタイプだったからだ。黒の長い髪で少し小さな身長で笑顔が素敵な女性だった。


(まさかいきなりあんな可愛い子と会えるなんて!)


 鼻歌を歌いながら帰宅した俺だった。

②へ続く

 


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